1978年の、初期の「谷口作品評論」
雑誌「だっくす 9・10月号」(清彗者)所収 西脇英夫氏著
「B級劇画講座@ 谷口ジロー ハードボイルド本格派」

 1978年9月ごろ・・・・・・。この時期は、関川氏と、コンビを組んで、1年少しで、単行本も出ておらず、『「漫画パンチ」の連作シリーズ「無防備都市」と「増刊ヤングコミック」「漫画キック」などに時々長編の読みきりを発表しているだけ』(同評論より引用)で、「リンド3!」は、連載がはじまったばかりのときです。

 この時期にもはや、谷口作品の「評論」を、載せた雑誌がありましたので、紹介します。「初期」、先生の作品が、どう受け入れられていたのかを語るのに、重要だと思ったからです。
 雑誌「だっくす 9・10月号」(清彗者)所収。西脇英夫氏著「B級劇画講座@ 谷口ジロー ハードボイルド本格派」が、それです。「リンド3!」の第1話のカットとともに、次のように、論じられています。


 「・・・・・ここに一人、エロチズムではなくハードアクションのみによって、社会を人間を鋭く描こうとする劇画家がいる。それが谷口ジローである。
 彼の好んで描く人物はおしなべて孤独な放浪人(さすらいびと)である。ひたむきという点では冒険者でもあるのだが、その影は暗く、まさしくアウトローである。」

 「・・・・・その時々で背景も設定も大きく変わるが、その線はリアルであり、人物の描写力に優れていて説得力がある。原作の関川夏央とのコンビもピッタリで、日本には育ちにくいハードボイルドタッチをうまく表現している。・・・・・」

 「かつての本格劇画風の太い線のハッタリもなく、やや危なげな細い線を繊細に使って、デリケートなムードを出しているのもいい。中堅の新人といったところで、・・・・・」

 「こういうハイセンスな劇画は、泥臭さと生臭さが売り物のハッタリ精神丸出しの青年劇画界ではうけ入れられにくいが、それだけに独自の世界をかたくなに守ろうとする谷口ジロー、関川夏央の仕事は、今、光っているといえるだろう。」


 「西脇英夫氏」は、映画評論畑の人らしいのですが、見ている人はみていたんですね。(2003.5.11)



 その後、「ふゅーじょんぷろだくと」(ラポート社)8月号に、同「西脇英夫氏」のコラム
「まいったか、関川夏央よ」が、掲載されているのを発見。「西脇英夫氏」も、この頃(?)漫画原作をされていたことが、わかりました。(すみませんでした。
 この、文章も、とても、面白いです。(2004.5.12)