メビウス・ジャン・ジローは、いわずと知れた、フランスを代表する、漫画家(BD作家)の巨匠です。マンガ(BD)だけでなく、シナリオ、SFX映画のデザイン、アニメーションなどにも、数多くの仕事をしています。

 ジャン・ジローのペンネームでリアルな、西部劇、メビウスの名前で、幻想的な作品を、数多く作品を、描いています。

 彼の作品は、フランス・アメリカ・ドイツなどで、数多く出版されており、全世界で、多くのファンを持っています。

 日本でも、数多くの、漫画家・デザイナーが、影響を受けています。




 「ハウンティングドッグ・可愛い死神」85年再刊版のあとがきによると、74年(昭和49年!)ごろ、友人に借りた雑誌のたった1ページのジャン・ジロー(メビウス)「ブルーベリー中尉」の絵に、「強烈なインパクト」を受けたと、書いてあります。

 これが、最初のメビウスとの出会いのようです。




1974年というと、メビウスの『アルザック』が発表される前、
(『アルザック』の初出は1975年刊の雑誌「メタル・ユルラン」です)

日本にメビウスが本格的に紹介されたのも、
70年代後半から80年代にかけてのことです。




谷口ジロー先生の、元アシスタントで、
イラストレーターの上杉忠弘氏
(すばらしい、イラストレーターです。)

この上杉氏の特集の雑誌「illustration 05.5月号」
で、上杉氏が
「谷口さんはメビウスを日本で最初に発見した人
(諸説ありますが)でもあり、・・・・・」
と、発言されています。




その後、彼の作品を、集めたそうです。

 もっとも、ジャン・ジロー氏と、メビウス氏が、同一人物だと、わかったのは、もっと後のようです・・・・・・。




 彼の影響を受けた漫画家は、たくさんいますが、全くの「まね」ではなく、「自分のもの」にしたのは、彼だけではないでしょうか?




 「谷口ジロー」の「ジロー」は、ジャン・ジローから、取ったと言う説がありますが、それは、間違いです。74年より少なくとも、5年以上前、石川球太氏のアシスタント時代の、「Qプロダクション」の中の名前に「ジロー」の、名前があります。

 

 なお、メビウス氏(=作画)の、日本語訳の、コミックが、現在までに、1冊だけでています。「謎の生命体アンカル」(アレクサンドロ・ジョドロブスキー=ストーリー)講談社 (86.4/11)です。



 ・・・・・・・もちろん、その後、谷口先生は、このメビウスばかりでなく、
フランスBD」の多くを、「吸収」され、
「影響」を受け、自分の作品に、生かされています。




 そして・・・・・・。

 メビウス氏原作で、傑作SF「イカル」を、手がけることになります。

 1997年、雑誌「モーニング」の企画で、メビウス氏に、日本の漫画家を選ぶように幾人かの、候補があがったが、「歩く人」に、魅せられていた、メビウス氏は、迷わず、谷口先生を指名したそうです。

 残念ながら、未完です。


 しかしながら、「イカル」での 谷口先生の作画には、驚嘆せずには、いられません。背景画も、緻密ですが、イカルが、飛ぶ姿の作画の、想像力には本当に驚きます。ストーリーは、まだ、導入部分と言う感じですが・・・・。

 2001年1月に発売された「エラー 00号」(美術出版社)に掲載された氏のインタビューでは、全五巻 20年ぐらいで、完成の予定とか・・・・・。また「第2部」は、1年後ぐらいに、同誌に掲載の予定と、答えています。(エラーは、02年3月現在、2巻まで、でていますが、谷口氏の登場は、ありません。)

 (2002.5 谷口氏の「孵化」の出ている、「adidas MANGA FEVER」は、
「error, Special Edition」と、表紙に、出ています。「エラー」の編集者が、編集に関与していると思われます。)




 余談ですが・・・・・。第1部には、自爆テログループ「試験管」が、登場しますが、第1部掲載4年後、01年9月に、ニューヨークで、本当に「自爆テロ」が、起きようとは、だれが想像したでしょう?

 いずれにしろ、第2部が、はじまるのが待ち遠しいです。(2002.2)




2000年「美術出版社」から、単行本が、出版されました.(日本語版)



 また、2003年待望の「英語版」が、2巻に分けて出版されました。

「Icaro Book1・2(イカル 第1・2巻 英語版)」は、
大きさは、ほぼB5版(少したて長)で、「右開き」。
「まえがき」として、メビウス氏のコメント(日本語版にもありましたが)。
最後のページの方に、谷口先生とメビウス氏の
プロフィールが、でています。

谷口先生のプロフィールには
「 an international award-winning artist from Japan 」
と、紹介してあります。
(03.11/13)




その後、
「イカル>フランス語版」も出版されました。






 蛇足ですが、「イカル」連載より、約20年前、増刊漫画アクション1980年に掲載された、単行本未収録作、「こえにならない鳥のうた」という、谷口先生の作品があります。

 内容は、「学校になじめない、鳥の言葉がわかる少年が、渡り鳥に、連れて行ってくれるように、話す。数年後、少年には、羽が、生えてくる。昔同じように、羽が生えた経験のある、老人の、すすめで、他の鳥たちと一緒に、銀河の果てに、飛び立つ・・・・・。」こういった、作品を書かれています。この「羽の生えた飛ぶ少年」は、「イカル」と、ほぼ同世代です・・・・・・。わたしは、結構好きなのですが・・・・・・。

 20年後の「イカル」という作品の登場を、予感させる作品だと思います。




 97 フランスBD作家 メビウス氏と、「イカル