「神々の山嶺」は、夢枕獏氏の、同名小説(集英社)の、漫画化です。

 文庫版の「あとがき」から、小説本の「帯、キャッチ風」に書くと、「第11回 柴田錬三郎賞 受賞!。夢枕氏、構想20年、渾身の、1700枚(原稿用紙)!」ということになります。

 もっとも、漫画化の話は、夢枕氏のほうから、話が、でたようです。このあたりのことは、漫画版、単行本「神々の山嶺」第1巻の、あとがきの夢枕氏のコメントに、詳しいです。

 「漫画版」は、2000〜03「ビジネスジャンプ(集英社)」に約3年間!連載。単行本、同社より、全5巻発売中。谷口先生にとって、もっとも長い作品ということになります。



 未読の方のために、詳しく書きませんが・・・・。物語は、ネパール、町中で、発見された、1台のカメラから、はじまり、2人の、日本人の、壮大なスケールの、エベレスト登攀の、ストーリーに、発展してゆく・・・・・。



  夢枕獏氏の、同名小説は、単行本から、文庫本化時に、一部書き換えられているそうです。マロリーの、遺体が発見されたからだそうです。連載、半年前、夢枕氏と、谷口先生が、取材に、ネパールへ、いかれていた間に、発見されたとのことです。このできごとから、この漫画化が、なにか、「神がかっ」ていたように、思えます。

  マロリーの遺体が、でてきましたので 漫画版は、文庫本に、沿っているようです。



  また、「羽生丈二」には、実在のモデルがあり、単行本「狼は帰らず アルピニスト・森田勝の生と死」佐藤稔,著(山と渓谷社)の、森田勝氏で、「羽生」の名前は、「将棋」の「羽生善治」氏からとったそうです。

 「羽生 『丈』二」と 「『深町』 誠」の名前は、谷口先生 代表作(関川氏 共作)「事件屋稼業」の、「深町 丈太郎」から、とったのではないか、と思うのですが、考えすぎ・・・・・ですね。



 小説文庫版「あとがき」によると、夢枕氏、曰く・・・・・。
「どうも、ぼくはどまん中の話を書いてしまう癖があるらしい。」
また、
「正面から、たたきつけるようにまっとうな山の話を書いた。
変化球の山の話ではない。
直球。力いっぱい根限りのストレート。・・・・・」
さらに、
「これだけの山岳小説は、もう、おそらく出ないであろう。
どうだ、まいったか。」
とも・・・・・。

 この大作を、見事に、これまた「どまん中の、ストレート」で、「映像化」してしまった、谷口先生・・・・・。絵が、すばらしい!。これも、「神がか」っている。

 「原作」を、越えてしまった・・・・・とさえ、思えます。




 「原作小説」が、ありますが、まったく原作どおりでは、ありません。ところどころに、谷口先生のオリジナルの、エピソードが、あります。たとえば、深町の登攀中、アイスフォールの中で、「深町」が、助走をつけて、クレバスを、飛び越えるシーンは、「原作」にはありません・・・・・。

 やはり、特筆すべきは、ラストシーンです。

 わたしは、「谷口先生版」で、読みたかったので、夢枕氏の原作本は読まず、1回1回、小説本を、後から、読んでいったのですが、途中で、原作本が、終わってしまったのです。最後掲載1回分は、谷口先生のオリジナル・・・・・。 最後に「写真」にうきでる「マロリー」と、それを見る「深町」の2人の顔の表情・・・・・。とても好きです。おっと、これ以上書くと、未読の方のに、申し訳ない・・・・・。



 文庫版の夢枕氏の「あとがき」を、読むと、面白いエピソードが、でてきます。ある編集者の話によると、「流行作家の、椅子は、いつの時代も、「15」しかないという。誰かが座れば、誰かが落ちる。誰かが落ちれば、誰かが座る。結局、この椅子の、取り合いなのだ・・・・・そうです。夢枕氏が、この小説を書く前、ひとつ、「新田次郎」氏の、椅子が、空いていた」と、いうのです。

 さて、流行「漫画家」の椅子は、いくつあるのでしょうか?。
 ・・・・・もっとも、谷口先生は、「流行漫画家」になることなど、拒否されるでしょうが。


 
 もうひとつのあとがきの、「もうひとつの山嶺」(「神々の山嶺」単行本の、谷口先生のあとがき)も、5巻つづけて読むと、すばらしいです。「神がか」った「神々の」自然を、書き、谷口先生の自然への「姿勢」が、伝わってきます。 谷口先生の作品は「ハードボイルドもの」と「自然もの」と、分けられて、語られる場合が多いですが、これを読むと、自然界そのものが、ハードボイルドであることに、気づく・・・・・。





 このわたしの、このウェブサイトを、アップしたのも、「この作品」連載中の 2002年2月。谷口先生の、「神々の山嶺」の「神がかった絵」に、触発され、また、こんなスゴイ(としかいいようがない!)絵を描く、谷口先生を、応援しようという、素直な、気持ちから・・・・・でした。

 考えてみれば、このわたしが、「インターネットのウェブサイト」をアップするなどということも、「神がかっていた」としか、言いようがない・・・・・。







2000〜03 「神々の山嶺」(原作 夢枕獏)について